こんにちは。カルメンです!今回は「THEN NOTHING WILL FAIL」という本のレビューです。「そうすれば、絶対大丈夫」とでも訳せましょうか。
THEN NOTHING WILL FAIL レビュー(そうすれば、絶対大丈夫)
THEN NOTHING WILL FAILという本との出会い
南オーストラリア州の州都、アデレードから車で20分で行けるドイツ村があります。ハーンドルフ(Hahndorf)という名前です。オーストラリアに現存する最も古いドイツ系移民の入植地です。その村にある古本屋でみつけた本がこの「THEN NOTHING WILL FAIL」という本です。
ポーランドの中流家庭が第二次世界大戦が始まるとともに、ドイツに征服されてどういう運命を辿っていくか、そして、終戦とともに、今度はソビエトに侵略される運命を綴っている本です。そんな本が、ドイツ人村の古本屋さんで私に買われるのを待っていたのですね。
しかも、著者TED KAZMIERSKI(テッド・カスミアーズキ)のサイン入りです。この方、オーストラリアに移住されています。コンタクトを取ろうと思ったのですがみつかりませんでした。
THEN NOTHING WILL FAIL レビュー
日本語では出ていなくて、英語の本になります。でも、母国語が英語でない人が英語で書いている本なので、とてもわかりやすいです。
すごくいい本です。読み始めたら止まらない面白さもあります。何よりも、第二次世界大戦が始まって、ポーランドで何が起こっていたのか、終戦になった後、今度はどうなったのかという状況が、生々しくよくわかります。
カスミアーズキ家の二男であったテッドの目で見て、体験したポーランドでの第二次世界大戦が始まる前から終戦後までの実話です。この長く恐ろしい経験をどうやって堪えてきたのか?それは、ほとんどのポーランド人がそうであったように、テッドの両親もカトリック教の信者であり、神を信じていたからです。そして、その信仰を子どもたちに教え続けたからです。
戦争の悲惨さが切々と伝わってきます。しかしながら、事実をそのまま事実として伝えていて、テッドが子ども心に感じたことは書いてありますが、「ドイツ人はこんなに悪いんだぞ」とか「ロシア人はこんなに悪いんだぞ」という主観は入っていなくて好感が持てます。
ご両親はしっかり育った人たちなので、強い信仰心のもと、常にまわりを助けながら生き延びていきますが、戦争が始まったとき、テッドは8歳で、それから大人になってもまだ、絶望的な状況が続いていたことを考えれば、彼が西側に脱出したことは理解できます。
8歳の時、ナチスの親衛隊に銃を向けられて震えていたテッドは、その後、ヨーロッパから一番遠いと思ったオーストラリアに移住しました。
まとめ
手に入りにくいかもしれませんが、「THEN NOTHING WILL FAIL」はたくさんの人に読まれるべき本だと思いました。戦争が繰り返されないように。