こんにちは。カルメンです!今回は、メキシコでのとある村に訪問した時のことを書きたいと思います。もう、村の名前も憶えていないほど昔の話ですが、トイレがなくて困ったという、、、そんなお話です。
父の同僚の奥さん
私が何故メキシコに10年以上暮らしていたかというと、父がメキシコの会社で働いていたからなんですね。メキシコに行って初めの頃、父の勤めていた会社に大学出たての、メキシコ人の同僚がいて、まだスペイン語に四苦八苦していた父をよくサポートしてくれていたそうです。
その彼が結婚をしました。メキシコは大半がメスティソと呼ばれる肌が小麦色か浅黒い、混血の人たちですが、彼の奥さんとなった女性は白人で青い目の小柄でぽっちゃりした、かわいらしい人でした。
あるとき、彼らは、私たち家族を、彼女の実家のある村へ、招待してくれると言ってくれました。私たちの住んでいるメキシコ・シティーからはかなり遠いので、泊りがけです。それで、私たちは2台の車で旅に出ることになりました。
陸の孤島
ずっと砂埃の舞う、赤土の土地を車で走っていきました。緑が全然ないところです。そんな、何もない砂漠のようなところに突然、小さな家々が固まって見えました。それが父の同僚の奥さんの出身地でした。
彼女の実家に泊めていただけるということで、私たちは家の中に案内されました。なんと、家の中の柵に囲まれたところに、豚がいました。臭くはなかったように記憶しています。
家はレンガでできているのですが、床は土でした。泊まっていいと案内された部屋は主寝室です。床は土でしたが、とてもきれいになっていました。あまりにも申し訳ないと思って、村の唯一のホテルだというところに連れていってもらったのですが、ベッドがあるだけのあまりにもお粗末な部屋だったのであきらめました。
家族の方たちも、村の人たちも、皆白人で、青い目でした。皆、穏やかな表情で、時間がゆっくりと流れているような、不思議な村でした。
トイレに行きたいと思って、トイレがどこか聞くと、困った顔をして黙っているのです。トイレがないらしいのです。困ったのは私たちです。
どこか外で木を探して、木の後で用を足そうと思ったわけですが、村には一本も木がないのです。村から遠く離れたところに一本だけ立っている木をみつけて、そこまで歩きました。長い道のりでした!
翌朝、朝食をいただきました。テーブルにジャムの瓶をもってきてくれて、ふたを開けてくれました。その途端、蠅が一斉に瓶の口にひしめき合ってとまり、真っ黒の輪になりました。びっくりしましたねー。食べれませんでした。
生まれたばかりの赤ちゃんがいて、とてもかわいかったです。村の人たちはとても親切で、幸せそうにみえました。
トイレがなかったのは、豚が一役買っているわけですよね。家の中に豚がいても、臭くはなかったし、ジャムの瓶の蠅はいただけなかったけれど、人々は平和で、幸せそうでした。そう見えただけだったのでしょうか?わかりません。
まとめ
その時は、私も子どもだったので、その村が何で生計を立てていたのかわかりようがありませんが、ひょっとしたら、貧しくて困っていたのかもしれません。本当に実在したのだろうか?夢だったのではないだろうか?そんな風にも思える、不思議な空間でした。